介護施設に月2〜3回、夜勤のスポットで来ていた人に「うちで働きませんか」と声をかけ、パートや常勤として雇う。クリニックでも、スポットで何度か来てもらった看護師を、そのまま採用することがあります。働きぶりを見てから雇えるので、スポットワークからの直接雇用は、事業所にとって自然な採用の流れになりつつあります。
ところが、雇い入れた後の事務で最初に迷うのが、年次有給休暇の起算日です。直接雇用の契約を結んだ日から6か月で数えるのか、最初にスポットで来た日から数えるのか。厚生労働省はスポットワークについて事業主向けの通達やリーフレットを出していますが、この点には触れていません。
この記事では、スポット期間を勤続年数に通算して扱うべき理由と、月2〜3回のスポットなら最初の付与がどうなるか、そして通算するかどうかの判断が後で割れても法定を下回らない付与の仕方を、介護とクリニックの事例で計算しながら説明します。
結論:スポット期間は勤続年数に通算して扱う。付与日数はまだゼロでも、年数は数え始めておく
同じ事業所でスポット勤務を繰り返していた人を直接雇用した場合、スポット期間は年次有給休暇の勤続年数に通算して扱うのが安全です。継続勤務にあたるかどうかは、契約の形式ではなく勤務の実態で判断するとされており、契約の名前が「スポット」から「パート」「常勤」に変わったことだけで、勤続が途切れたことにはならないためです。
ただし、スポットワークは一回ごとに別の契約が成立する働き方で、通算すべきかどうかを正面から示した公的な基準はありません。判断が割れうる理由は次の章で説明します。それでも通算して扱う方を勧めるのは、通算せずに数えていて、後から継続勤務と判断された場合、付与すべき有給休暇を付与していなかったことになるからです。
月2〜3回のスポットであれば、通算しても、スポット期間中に付与される日数はゼロになる可能性が高いでしょう。年に換算すると24〜36日で、所定労働日数の少ない人への比例付与の下限である年48日に届かないためです。付与がゼロでも、勤続年数は進んでいます。直接雇用した後に来る基準日には、そのときの所定労働日数と、スポット期間を含めた勤続年数で付与日数を決めます。
一点だけ注意があります。通算した基準日は、最初のスポット勤務から6か月、1年6か月…と1年ごとに来るため、直接雇用のタイミングによっては、次の付与が直接雇用から6か月より先、最長で1年近く先になります。この場合は、通算した次の基準日の分を、直接雇用日から6か月後に前倒しで付与しておけば、通算しない判断になった場合でも法定を下回りません(事例での計算は後の章で示します)。
- スポット期間は、勤続年数に通算して扱う
- 月2〜3回のスポットなら、スポット期間中の付与はゼロのことが多い(年48日未満のため)
- 通算した次の基準日が直接雇用から6か月より先になるときは、6か月後に前倒しで付与する
なぜ判断が割れるのか|スポットは一回ごとの別契約、継続勤務は実態で判断する
スポットワークは「一回ごとの別契約」
スポットワークの仲介には、アプリで求人と応募をつなぐサービスのほか、看護師や介護福祉士など資格者に特化した有料職業紹介のサービスもあります。どちらの形でも、労働契約を結ぶのは仲介する会社ではなく、働く人と事業所です。職業紹介は法律上、求人者と求職者との間の雇用関係の成立をあっせんすることと定義されており、雇い主は求人を出した事業所になります。1日だけの勤務でも雇用契約になる点は、スポット勤務の医師に雇用契約書は必要かを扱った記事でも説明しました。なお、派遣会社から来てもらっていた場合は、雇い主は派遣会社であり、この記事の前提とは異なります。
そのうえで、スポットワークの契約は勤務一回ごとに成立します。厚生労働省は令和7年7月の通達(いわゆる「スポットワーク」を利用する労働者の労働条件の確保等について)で、面接を経ずに先着順で就労が決まる求人では、特段の合意がなければ、応募した時点で労働契約が成立すると一般的に考えられるとしています。勤務と勤務の間には契約がなく、次に働く義務もありません。
有期契約を更新し続ける働き方や、定年後にそのまま再雇用される働き方は、契約が途切れずにつながっています。スポットワークはそうではありません。これが、継続勤務にあたるかどうかの判断が割れる理由です。
継続勤務は、在籍の実態で判断する
一方で、年次有給休暇の「継続勤務」は、契約書が一本でつながっているかどうかでは決まりません。厚生労働省は、定年後の再雇用について、実質的に労働関係が継続していると認められれば、再雇用前からの勤続年数を通算するとしています(厚生労働省「スタートアップ労働条件」事業者向けQ&A)。形式ではなく実態で見る、という考え方です。
ただし、契約と契約の間がどれだけ空いたら途切れるのかという具体的な期間は、法令にも通達にも示されていません。継続勤務が争われた裁判例では、採用や更新がどのような経緯で行われてきたか、実際にどう働いていたか、空白期間がなぜ生じたか、その長さはどのくらいか、といった事情を総合して判断されてきたと整理されています(日本労働研究雑誌「労基法39条1項の継続勤務要件に関する考察」)。
継続と見られやすい事情、見られにくい事情
スポットからの直接雇用に当てはめると、判断の目安は次のようになります。
| 継続と見られやすい | 継続と見られにくい |
|---|---|
| 回数は少なくても、毎月勤務の実績が途切れずに続いている | 勤務のない月が挟まっている |
| 毎回ほぼ同じ業務(夜勤の介護、外来の看護など)に就いている | 一度か二度、単発で来ただけ |
| 事業所が同じ人を繰り返し指名して来てもらっていた | スポットと直接雇用後で、業務がまったく異なる |
| スポット勤務の途中で直接雇用を打診し、間を空けずに切り替えた | 最後のスポットから長く空いて、改めて応募してきた |
表は目安であり、「この期間が空けば途切れる」という線を示すものではありません。そうした線を示した公的な根拠がないためです。
当事務所が関与した例でも、回数は多くないものの毎月勤務の実績があったことを決め手に、スポット期間を通算して扱いました。勤務のない月が続いていれば、判断は変わりえたと考えています。
迷うなら、通算して扱う
介護施設やクリニックでスポットから直接雇用する典型は、何度か来てもらって働きぶりを見たうえで声をかける、という流れです。この流れでは、表の左側の事情がそろいやすくなります。判断に迷う場合は通算して扱い、そのうえで付与の時期と日数を、後の章で示す方法で決めておくのが、後から争いにしないための現実的な選択です。
スポット期間の出勤率と付与日数|出勤率は原則100%、月2〜3回なら最初の付与はゼロ
出勤率は原則100%になる
年次有給休暇は、6か月の継続勤務に加えて、全労働日の8割以上出勤したことが付与の条件です。全労働日とは、労働契約にもとづいて働くことが予定されている日をいいます。スポットワークでは、契約を結んだ日だけが労働日です。来ると決まった日に来て働けば、その日は労働日であり出勤日でもあるため、スポット期間の出勤率は原則として100%になります。
例外は二つあります。一つは、事業所の都合でキャンセルした日です。使用者側に起因する経営・管理上の障害による休業日は、全労働日に含めないとされています。出勤率の計算からは外れますが、契約成立後に事業所の都合でキャンセルした場合は、休業手当の支払いが必要になる点に注意してください。
もう一つは、契約が成立した後に、働く側が当日キャンセルした日です。公的資料に直接の記載はありませんが、働く予定の日に来なかったのですから、欠勤として全労働日に残ると考えられます。スポット期間は全労働日の数そのものが少ないため、こうしたキャンセルが数回あるだけで出勤率は大きく下がります。たとえば6か月で15回の契約のうち4回を当日キャンセルしていれば、出勤率は約73%で、8割を下回ります。
月2〜3回なら、スポット期間中の付与はゼロ
出勤率を満たしていても、付与日数は別に決める必要があります。所定労働日数の少ない人の付与日数は、週または年間の所定労働日数で決まりますが、スポット期間にはその所定労働日数がありません。
参考になるのが、厚生労働省が2026年6月に改正したシフト制の留意事項(いわゆる「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項)です。所定労働日数を算出しがたい場合、雇入れから6か月後の付与では、最初の6か月の労働日数の実績を2倍した日数を、年間の所定労働日数とみなしてよいとしています。この留意事項は、契約は一つで、具体的な労働日をシフト表で決めていく働き方を対象にしたもので、一回ごとに契約が成立するスポット期間にそのまま当てはまるとは書かれていません。ただ、実績で数えるという考え方は使えます。シフト制で実績から付与日数を出す方法は、シフト制の有給休暇を実績で数える方法を扱った記事で詳しく説明しています。
この考え方で計算すると、月2〜3回なら6か月で12〜18日、2倍して24〜36日です。比例付与の対象になる下限は年48日なので、届かず付与はゼロになります。一方、月4回のペースなら6か月で24日、2倍して48日となり、下限にちょうど届いて1日の付与が生じえます。「月2〜3回ならゼロ」は、月3回までのペースでの話です。
付与がゼロでも、勤続年数は進む
付与日数がゼロでも、スポット期間を通算して扱う以上、勤続年数は最初のスポット勤務の日から数え続けます。直接雇用した後に来る基準日には、その時点の所定労働日数と、スポット期間を含めた勤続年数で付与日数を決めます。所定労働日数が変わったときに付与日数がどう決まるかは、労働条件を変えたときの有給休暇の日数を扱った記事もあわせてご覧ください。次の章では、これを介護とクリニックの事例に当てはめて計算します。
起算日で何が変わるか|介護とクリニックの2事例で計算する
二つの事例の前提
最初のスポット勤務の日を「0か月目」として数えます。
| 事例A:介護施設 | 事例B:クリニック | |
|---|---|---|
| スポット期間 | 夜勤のスポットを月2回、10か月 | 看護師の日勤スポットを月2〜3回、1年2か月 |
| 直接雇用後 | 常勤(週5日・週40時間) | パート(週3日・1日6時間) |
| 付与日数の表 | 通常の付与 | 週3日の比例付与 |
夜勤は16時間で2暦日にまたがりますが、2暦日にまたがる勤務は、始業時刻の属する日の一つの勤務として扱うとされています。当事務所では、付与日数を考えるうえでも夜勤1回を1日と数えています(詳しくは前の章で紹介した記事で説明しています)。どちらの事例も、スポット期間の出勤率は100%、直接雇用後も8割以上出勤しているものとします。
事例A:介護施設の夜勤スポットから常勤へ(通算しない方が早い)
通算する場合、最初の基準日は6か月目です。この時点ではまだスポット中で、6か月の勤務は12回、2倍しても24日なので、付与はゼロです。次の基準日は18か月目で、このときは常勤なので、勤続1年6か月の11日を付与します。直接雇用してから8か月間、付与がないことになります。
通算しない場合は、直接雇用した10か月目から6か月後の16か月目に、新たに雇い入れた人として10日を付与します。
比べると、通算しない方が2か月早く付与され、通算する方が1日多くなります。

事例B:クリニックの看護師スポットから週3日のパートへ(通算する方が早い)
通算する場合、6か月目の基準日はまだスポット中です。6か月の勤務は12〜18回、2倍して24〜36日なので、付与はゼロです。次の基準日は18か月目で、直接雇用(14か月目)の4か月後です。このときは週3日のパートなので、週3日・勤続1年6か月の6日を付与します。
通算しない場合は、直接雇用から6か月後の20か月目に、週3日・勤続6か月の5日を付与します。
こちらは、通算する方が2か月早く、日数も1日多くなります。時期でも日数でも、通算する方が上回ります。

分かれ目は、直接雇用から6か月以内に通算の基準日が来るか
二つの事例の違いは、スポット期間の長さそのものではなく、直接雇用した日と、通算した基準日(最初のスポット勤務から6か月、1年6か月、2年6か月…)との位置関係にあります。
直接雇用から6か月以内に通算の基準日が来るなら、事例Bのように、通算する方が時期でも日数でも上回ります。スポット期間が6か月未満で切り替えた場合や、1年〜1年6か月で切り替えた場合がこれにあたります。
反対に、通算の基準日が直接雇用から6か月より先になるなら、事例Aのように、日数は通算する方が多い一方で、時期は通算しない方が早くなります。
ここから分かるのは、通算しない扱いでは、通算する判断になったときに日数が足りなくなるおそれが常に残ることです。通算する扱いなら、問題になるのは事例Aの形のときの「時期」だけです。この時期の問題を解消する付与の仕方を、次の章で示します。
どちらに転んでも違反にならない付与の設計
ルールは二つだけ
スポットから直接雇用した人の有給休暇は、次の二つで決めます。
一つ目に、勤続年数は最初のスポット勤務の日から数えます。
二つ目に、通算した次の基準日が、直接雇用した日から6か月より先になる場合は、直接雇用から6か月後の日を新しい基準日にします。その日に「通算した次の基準日に付与するはずの日数」を付与し、以後はこの日を毎年の基準日にします。
通算した次の基準日が直接雇用から6か月以内に来る場合(事例B)は、二つ目は必要ありません。通算した基準日どおりに付与すれば、時期でも日数でも、通算しない場合を上回るためです。
事例Aに当てはめると、どちらの判断でも下回らない
事例A(介護施設の夜勤スポットを10か月、その後常勤)では、通算した次の基準日は18か月目で、直接雇用(10か月目)から8か月先です。そこで、直接雇用から6か月後の16か月目を基準日にし、18か月目に付与するはずだった11日を付与します。3回目の付与まで並べると、次のとおりです。
| この設計 | 通算する場合の法定 | 通算しない場合の法定 |
|---|---|---|
| 16か月目に11日 | 18か月目に11日 | 16か月目に10日 |
| 28か月目に12日 | 30か月目に12日 | 28か月目に11日 |
| 40か月目に14日 | 42か月目に14日 | 40か月目に12日 |
16か月目の付与は、通算する場合の法定より2か月早く同じ日数で、通算しない場合の法定と同じ時期に1日多くなっています。2回目以降も同じ関係が続くため、通算すると判断された場合にも、通算しないと判断された場合にも、どの時点でも法定を下回りません。
前倒しが認められる根拠
基準日を法定より前にずらして付与すること自体は、職員の基準日を統一する場合と同じ考え方で認められています。厚生労働省の通達(平成6年1月4日基発1号)は、法定の基準日より前に付与する場合の条件を二つ示しています。一つは、出勤率を計算するときに、前倒しで短くなった期間は全期間出勤したものとみなすこと。もう一つは、次の年以降も、最初に繰り上げた期間と同じかそれ以上、法定の基準日より繰り上げることです。
上の表は、毎年2か月繰り上げた状態を続けているので、二つ目の条件を満たしています。出勤率は、短くなった2か月分を出勤したものとして計算します。すでに全職員の基準日を統一している事業所では、この人だけ別の基準日にするか、統一した基準日に合わせて前倒しするかを決める必要があります。その考え方は、有給休暇の基準日を統一する手順を扱った記事で説明しています。
年5日の取得義務と、記録の残し方
事例Aは11日を付与するので、付与した16か月目から1年以内に、5日を取得させる義務がかかります。事例Bは6日なので今は対象外ですが、勤続年数が進んで付与日数が10日以上になった年から対象になります。
記録は三つ残しておきます。一つ目に、年次有給休暇管理簿に、基準日・日数・取得した時季を記載します。二つ目に、労働条件通知書の雇入れ日は直接雇用の日のまま書き、有給休暇の勤続年数を最初のスポット勤務の日から数えていることは、備考欄や社内の記録に別に残します。三つ目に、最初のスポット勤務の日と毎月の勤務実績が確かめられるよう、スポット期間の勤務記録を保存しておきます。通算するかどうかの決め手になるのは、この記録です。
負担はどのくらい増えるか
この設計で増える負担は、事例Aなら、通算しない場合と比べて毎年1〜2日多く、通算した基準日どおりと比べて毎年2か月早く付与することです。判断が割れる論点を抱えたまま、後から「付与が足りなかった」と言われる可能性を消すための費用としては、小さいと考えます。
なお、これは安全側に寄せた設計で、法令がこの方法を義務づけているわけではありません。通算するかどうかが明らかな事案であれば、その判断どおりに付与すれば足ります。
切替え時に一緒に決めること|労働条件通知書・試用期間・社会保険と雇用保険
労働条件通知書を出し直す
スポットの時に示していた労働条件は、その日一回の契約のものです。直接雇用の時点で、改めて労働条件を明示します。2024年4月からは、就業場所と業務について「変更の範囲」の明示も必要になり、有期契約で雇う場合は、更新上限の有無と内容も明示します(厚生労働省「令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます」)。
前の章で決めたとおり、通知書の雇入れ日は直接雇用の日とし、有給休暇の勤続年数を最初のスポット勤務の日から数えていることは、別に残しておきます。パートや有期契約で雇う場合に通知書へ加える記載は、パート・有期雇用の労働条件通知書に加える記載を扱った記事で説明しています。
試用期間は、置かない選択もある
直接雇用の時点で試用期間を設けること自体はできます。ただ、スポットで働きぶりを確かめたうえで声をかけている場合は、改めて試用期間を置かないこともあります。新規採用と同じ試用期間を機械的に当てはめるのではなく、置くかどうか、置くならどのくらいの長さにするかを、採用の経緯に合わせて決めておくとよいでしょう。設ける場合は、その内容を労働条件通知書や就業規則に書いておきます。
社会保険と雇用保険は、直接雇用の日から判定する
月2〜3回のスポット勤務であれば、スポット期間中は通常、社会保険・雇用保険の加入要件を満たしていません。その場合、直接雇用後の労働条件で要件を満たすなら、加入するのは直接雇用の日からで、スポット期間に遡って加入させることにはなりません。届出の期限は、健康保険・厚生年金保険が資格を取得した日から5日以内、雇用保険が被保険者となった日の属する月の翌月10日までです。
週3日のパートなど、短時間で働く人が加入要件を満たすかの判定は、医療機関の社会保険の加入判定を扱った記事と、介護の夜勤専従パートの社会保険・雇用保険の加入を扱った記事で説明しています。
よくある質問
Q1. 就業規則に「スポット期間は通算しない」と定めれば、通算しなくてよいですか。
いいえ。実態として継続勤務にあたる場合、労働基準法の基準を下回る定めは、その部分が無効になります。継続勤務かどうかは勤務の実態で判断されるため、就業規則の書き方で結論を変えることはできません。
Q2. 同じ法人の別の施設でスポット勤務していた人も、通算の対象になりますか。
対象になりえます。継続勤務は雇い主ごとに見るため、雇い主が同じ法人であれば、スポットで働いた施設と直接雇用した施設が違っても、通算するかどうかの判断の対象になります。反対に、別の法人の施設でのスポット勤務は、雇い主が違うため通算しません。
Q3. スポットの雇い主は、仲介アプリの運営会社ではないのですか。
いいえ。アプリで求人と応募をつなぐ形でも、資格者向けの有料職業紹介の形でも、労働契約は事業所と働く人の間に成立します。スポットで働いた日の雇い主は、その事業所です。
Q4. しばらく来なかった人が、再びスポットで来るようになってから直接雇用した場合はどうなりますか。
勤務のない期間をはさんでいるため、それより前の期間まで通算するかは、判断が割れる領域です。空白の長さと理由、再開後の勤務の続き方を記録で確かめたうえで判断します。迷う場合は、勤務を再開した日から通算して付与しておき、空白より前の期間をどう扱うかは、専門家に相談するのが現実的です。
Q5. スポット期間中に有給休暇を付与していませんでした。違反になりますか。
最初の6か月の勤務が合計24回未満であれば、実績を2倍しても年48日に届かないため、付与すべき日数はもともとゼロで、違反にはなりません。月4回以上のペースで来ていて、6か月で24回以上勤務していた場合は、1日の付与が必要だった可能性があります。勤務記録で回数を確かめてください。
まとめ
スポットで来ていた人を直接雇用したとき、有給休暇の勤続年数は、最初のスポット勤務の日から通算して扱うのが安全です。スポットワークは一回ごとに別の契約が成立する働き方ですが、継続勤務は勤務の実態で判断され、回数は少なくても毎月の勤務実績が続いていれば、通算に傾きます。
月2〜3回のスポットであれば、スポット期間中に付与される日数はゼロのことが多いものの、勤続年数は進んでいます。直接雇用した後の基準日には、その時点の所定労働日数と、通算した勤続年数で付与日数を決めます。通算した次の基準日が直接雇用から6か月より先になる場合は、6か月後に前倒しで付与しておけば、通算するかどうかの判断がどちらになっても、法定を下回りません。
本記事は2026年10月時点の情報にもとづいています。シフト制の留意事項が2026年6月に改正されたように、取扱いは見直されることがあります。実際の運用にあたっては、厚生労働省の通達や留意事項などの一次情報で確かめ、判断に迷う場合は、都道府県労働局の総合労働相談コーナーや顧問の社会保険労務士など、専門家に相談してください。
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ここまでの手順で自社での対応が見通せるようでしたら、専門家への相談は必要ありません。
判断に迷うのは、スポット勤務に空白の期間があった場合や、最初のスポット勤務の日と毎月の勤務実績を記録で確かめられない場合など、勤務記録と採用の経緯を見なければ決まらない部分です。当事務所では、こうした確認を含む労務のご相談を、医療機関・介護事業所などの事業者さま向けの顧問契約の中で、継続的にお受けしています。有給休暇の基準日や付与のルールを就業規則に定め直す必要がある場合は、就業規則の作成・変更のみのご依頼も可能です。



