クリニック・介護事業所の給与計算代行

クリニック、歯科医院、介護事業所の給与計算をお受けしています。顧問契約のオプションとしてお受けするほか、給与計算だけのご契約も承ります。

パートタイマーが多く時給が人によって異なる、シフトや夜勤がある、変形労働時間制を採っている。こうした事業所では、給与計算の手間の多くが、計算そのものではなく勤怠の集計と例外の判断に費やされます。そのうえ、担当できる人が院内・施設内に1人しかいない、という状態も少なくありません。

このページでは、何をどこまでお受けするのか、料金はいくらか、引き継ぎにどのくらいかかるのかを書いています。

クリニック・介護事業所の給与計算が手間になる理由

給与計算そのものは、どの業種でも毎月同じ作業です。医療機関や介護事業所で手間がかかるのは、計算の前段にある勤怠の集計と、勤務形態から生じる例外の多さです。

担当者を置きにくい

個人クリニックや小規模の事業所には、人事・総務の部門がありません。医療事務の方が診療の合間に処理するか、院長ご自身が休診日に片づけるか、というのが実際のところだと思います。給与計算は毎月必ず来る一方、専任で担当できる人がいない。ここが出発点です。

勤怠の集計に時間がかかる

パートタイマーの方が多く、時給制が中心になります。人によって時給が異なり、勤務時間もその月ごとに変わるため、集計そのものが作業になります。給与計算の時間の多くは、実は計算ではなく集計に使われています。

変形労働時間制の時間外労働の計算

1か月単位の変形労働時間制を採用している場合、時間外労働は「1日8時間を超えたら」という単純な形では出てきません。1日、1週、変形期間の3段階で拾う必要があります。1日についても1週についても法定労働時間を超えていないのに、月の総枠を超えたために時間外労働が発生する、ということが起こります。これは表計算ソフトでの手計算が最も間違えやすい部分です。

計算の手順は変形労働時間制の残業代の数え方で解説しています。

社会保険料の変更

算定基礎届による9月分からの改定、報酬が大きく変わったときの月額変更、40歳到達時の介護保険料。毎月変わるものではないぶん、変更の月を見落とすと、後から差額の調整が必要になります。

手当を変更したときの判定については、処遇改善手当・ベースアップ手当を上げたら月額変更届は必要かで解説しています。

夜勤手当(介護事業所)

夜勤手当を1回いくらの定額で支給している場合、深夜の割増賃金が別に必要かどうかは、その手当が何の対価として設計されているかで決まります。規程の書き方と実際の支給額の両方を見ないと判断できません。給与計算の作業というより、賃金の設計の問題がここに現れます。

これらは、法律が特別だから難しいのではありません。勤務の形が複雑で、例外の判断が毎月発生するために、時間がかかります。

ご依頼いただける形

給与計算は、2つの形でお受けしています。

顧問契約のオプションとして

顧問契約(AプランまたはBプラン)に、給与計算を加える形です。労務相談や手続き代行と同じ窓口で、給与計算まで一体で対応します。割増賃金の単価が適切か、勤怠の運用に問題がないかといった点も含めて見ることになるため、給与計算をきっかけに労務全体を整えたい場合はこの形になります。

給与計算のみのご契約として

顧問契約がなくても、給与計算だけをお受けできます。手続きは院内・施設内で回せているが、毎月の計算だけを外に出したい、という場合です。

お預かりした勤怠データにもとづく計算と、給与計算から直接導かれる次の手続きを行います。

  • 算定基礎届
  • 月額変更届
  • 賞与支払届
  • 労働保険の年度更新

一方、次の内容は含みません。

  • 勤怠管理が適法に行われているかの確認
  • 割増賃金の単価設定、固定残業代の有効性の判断
  • 就業規則・賃金規程の点検
  • 入退社の手続き、給付の請求

この線引きには理由があります。給与計算は、渡された勤怠データと賃金の設定にもとづいて計算する作業です。その前提となる勤怠の取り方や賃金の決め方が適切かどうかは、就業規則や実際の勤務実態を確認しなければ判断できません。給与計算のみのご契約では、そこまでは踏み込まないということです。

これらの確認が必要な場合は、顧問契約(Bプラン)をご案内します。

勤怠管理ができていない状態からでも依頼できますか

できます。ただし、その場合は給与計算のみのご契約では収まらないことが多くなります。

社労士が関与していない事業所では、タイムカードはあるが集計されていない、出勤簿が手書きで残業時間が拾えない、といった状態から始まることがあります。この状態で給与計算だけを引き受けても、計算の元になるデータが揃っていないため、毎月同じところで止まります。

こうした場合は、勤怠管理の整備から一緒に進める形をご提案します。クラウド勤怠の導入支援は、顧問契約(A・Bプラン)に含まれています。

内製化と代行、どちらを選ぶか

小規模の医療機関・介護事業所では、「手続きは外に出したいが、給与計算は自分たちでやっている」という組み合わせがよくみられます。給与計算は毎月同じ処理の繰り返しになりやすく、設定さえ整えば院内・施設内で回せるためです。

一方で、担当者を置く余裕がない事業所、夜勤手当やシフトで計算が複雑になる事業所では、外に出したほうが確実な場合もあります。どちらが正しいという話ではありません。

選び方の目安

内製化が向く代行が向く
担当者事務職員がいて、毎月の作業時間を確保できる担当が院長・管理者本人、または兼務で手が回らない
人数の変動職員の出入りが比較的少ない非常勤の入退社が多い
賃金の設計手当の種類が少なく、計算が定型化しやすい夜勤手当・変形労働時間制など、例外の判断が毎月発生する
引き継ぎ担当者が複数いる、または後任を置ける担当が1人で、辞めた場合に止まる

担当が1人という状態については、給与計算を一人に任せているクリニック・介護事業所へで詳しく書いています。

今使っているソフトのまま依頼できますか

内製化の場合、社労士専用ソフトへの乗り換えは求めません。ジョブカン、SmartHR、マネーフォワード、スマレジなど、すでに導入済みのソフトをそのまま使い、給与計算が貴院・貴社の中で回る状態を作ります。導入と運用の設定、毎月の勤怠チェック、随時のご相談で支えます。

代行の場合も、すでに労務管理ソフトをお使いであれば、そちらを使って対応します。お使いのソフトがない場合は、当事務所の社労士用クラウドシステムで計算します。この場合、貴院・貴社専用のページを開設し、給与明細、支給控除一覧表、賃金台帳、電子申請の公文書をいつでも確認できる状態にします。書類を郵送でやり取りする必要はありません。

代行から内製化に移ることはできますか

できますが、制約をひとつお伝えしておきます。

当事務所が代行に使うシステムは社労士事務所向けのものであるため、そのまま貴院・貴社で使い続けることはできません。内製化に移る際は、貴院・貴社で選んだソフトへの切り替えが必要になります。

そのため、将来的な内製化を考えている場合は、勤怠管理だけは最初から貴院・貴社側のソフト(ジョブカン等)で持ち、給与計算だけを代行に出す形をおすすめしています。勤怠のデータが手元にある状態にしておけば、後から給与計算を院内・施設内へ移すときの切り替えが小さくて済みます。

切り替えの際は、ソフトの選定、初期設定、データの移行までお手伝いします。

料金

金額はすべて税込です。

顧問契約のお客様顧問契約以外のお客様
月次給与計算1,100円 × 計算人数5,500円 + 1,650円 × 計算人数
賞与計算330円 × 計算人数330円 × 計算人数
年末調整1,100円 × 計算人数5,500円 + 1,650円 × 計算人数
初回設定料月次給与計算のひと月分と同額月次給与計算のひと月分と同額
  • 計算人数は、給与明細を発行する人数です
  • 年末調整は、月次給与計算のひと月分と同額です
  • 初回設定料は、ソフトの設定が必要となる場合に、初回のみ申し受けます。過去のデータの取り込み、賃金・手当・控除の設定、支給額の照合にかかる作業分です
  • クラウド勤怠管理(ジョブカン勤怠管理、マネーフォワード勤怠、タッチオンタイム系など)をご利用の場合、月次給与計算について一人当たり550円を割り引きます

顧問料、就業規則の作成・変更、助成金申請代行の報酬は、料金ページにまとめています。

ご依頼から、実際に任せられるまで

引き継ぎには、2〜3か月を見ておいてください。初月から丸ごとお任せいただく形は取っていません。理由も含めて、流れを書いておきます。

1. 過去の給与計算データをお預かりします

タイムカードや勤怠の記録、賃金台帳、直近の給与明細をお預かりします。就業規則や賃金規程があれば、あわせて拝見します。

2. 過去の月を、こちらで計算し直します

お預かりしたデータをもとに、すでに支給が終わっている月を、こちらで計算してみます。貴院・貴社の実際の支給額と一致するかどうかを確認するためです。

ここで差が出た場合、設定のどこが違うのかを突き止めます。割増賃金の単価の出し方、手当を割増の基礎に含めているかどうか、端数の処理、控除の順序。事業所ごとに固有の運用があり、これを合わせないまま次の月に進むと、支給額が変わってしまいます。

3. ひと月は、並行して計算します

設定が合ったら、実際の月を貴院・貴社とこちらの両方で計算します。結果が一致することを確認してから、こちらの計算に切り替えます。最短で、この翌月から任せていただける形になります。

4. 2〜3回の並行期間をおすすめしています

ただし、実際には2〜3回は並行させていただくほうが安心です。

給与計算には、毎月は起きない処理があります。賞与、算定基礎届の反映、社会保険料の改定、年度の切り替わり、途中入社と途中退職。ひと月だけの照合では、その月にたまたま起きなかった処理を確認できません。並行期間を2〜3回とっておくと、こうした例外の処理まで含めて、設定が正しいかを確かめられます。

急いで切り替えることもできますが、後から差額の調整が必要になると、職員の方への説明が発生します。最短を選ぶか、確実さを選ぶかは、ご相談のうえで決めています。

毎月の流れ

切り替えが済んだ後は、毎月このかたちで進みます。

  1. 勤怠データをお送りいただきます(クラウド勤怠をご利用の場合は、締め後にこちらで確認します)
  2. こちらで計算し、確認用の一覧表をお送りします(メールまたは顧問先専用ページでご確認いただけます)
  3. 事業所でご確認いただきます
  4. 誤りや修正が必要な点があれば、ご連絡ください
  5. 修正のうえ、納品します

納品するのは、支給控除一覧表、給与明細、住民税納付一覧、振込用の全銀フォーマットのデータです。給与明細は、PDFでのお渡しとWEB明細のどちらにも対応しています(追加料金はいただきません)。振込データもご希望に応じてお出しします。

この2段階が要点です。支給額が確定する前に一覧表で確認していただき、その後に明細と振込データを納品します。確認の前に明細を出してしまうと、修正が出たときに刷り直しや再送が発生するためです。

事業所でのご確認を、必ずお願いしています

これは形式的な手順ではありません。

給与計算は、こちらがお預かりしているデータの範囲でしか行えません。昇給、手当の変更、扶養の異動、休職の開始といった事項は、ご連絡いただかないとこちらでは把握できません。連絡が漏れたまま計算すると、当然、金額は合いません。

支給日を過ぎてから誤りが見つかると、差額の精算と、職員の方への説明が必要になります。納品の段階で一度見ていただければ、その多くは支給前に防げます。

見ていただきたいのは、細かい計算そのものではありません。「今月、何か特別なことがなかったか」という観点です。昇給や手当の変更を伝え忘れていないか、退職者の最終月の処理は合っているか。ここに気づけるのは、事業所の側だけです。

よくある質問

他の社労士事務所からの切り替えはできますか

できます。手順は新規の場合と同じで、過去の給与計算データをお預かりし、こちらで計算し直して支給額が一致することを確認してから切り替えます。

切り替えの時期としては、年度の変わり目や、算定基礎届が終わった後(9月以降)が比較的やりやすい時期です。ただし、時期を待つ必要はありません。引き継ぎに2〜3か月を見ておくという点は、どの時期でも変わりません。

年末調整だけを依頼できますか

年末調整のみのご依頼はお受けしていません。顧問契約または給与計算をお受けしている事業所に限らせていただいています。

年末調整は、その年の給与の支給額と控除の内容が確定していることを前提とした処理です。月々の計算に関与していない状態で年末調整だけを行うと、前提となる数字の正しさを確認できません。誤りがあった場合に、どこまで遡って直すべきかの判断もできません。

住民税の手続きはどこまで対応してもらえますか

特別徴収に係る異動届の提出までをお受けしています。職員の入社・退職に伴う異動届を、市区町村へ提出します。

納付そのものは、事業所で行っていただきます。毎月の納付額は、給与計算の納品時にお渡しする住民税納付一覧でご確認いただけます。

給与計算だけを頼んで、労務相談は別のところに頼めますか

差し支えありません。給与計算のみのご契約では、労務相談はお受けしていません。顧問社労士が別にいる場合でも、給与計算だけをお受けすることは可能です。

ただし、割増賃金の単価や手当の設計に疑問が生じた場合、こちらでは判断を申し上げられません。その場合は、顧問社労士の方にご確認いただくことになります。

ご依頼までの流れ

  1. フォームからお問い合わせ
  2. 3営業日以内にご返信
  3. 面談(対面またはGoogle Meet)
  4. ご提案・お見積り

面談は無料です。現在の給与計算の状況を伺ったうえで、お見積りをお出しします。

ご相談は事業者さまからのみお受けしています。従業員の方個人からのご相談はお受けできません。