クリニックに1か月単位の変形労働時間制は必要か|1日8時間で決まる要否と、導入する場合の必須要件

1か月単位の変形労働時間制について調べると、医療機関向けの解説の多くが「クリニックに適した制度」「導入すれば残業代を抑えられる」と説明しています。診療時間が長く、土曜も診療するクリニックは、労働時間が法定の枠に収まりにくい。だから変形労働時間制が必要だ、という前提です。

しかし、当事務所が顧問先を見ている限り、1か月単位の変形労働時間制を導入しているクリニックは多くありません。多くは1日8時間・週40時間という原則どおりの設計で運用しています。制度を知らないから使っていないというより、使わなくても組めているというのが実態に近いと感じています。

本記事では、自院に1か月単位の変形労働時間制が必要かどうかを判断するための考え方を整理します。結論を先に述べると、要否を決めるのは週の合計労働時間ではなく、1日8時間を超える日があるかどうかです。そしてその1日の労働時間は、昼休みの長さによって変わります。

目次

なぜ多くのクリニックは、変形労働時間制なしで回っているのか

週の枠には、実は余裕がある

まず、週単位で見てみます。労働基準法は、休憩時間を除いて1週間に40時間、1日に8時間を超えて労働させてはならないと定めています(労働基準法第32条)。

クリニックによく見られるスケジュールで試算してみます。

曜日診療1日の労働時間
月・火・水・金終日診療各8時間
休診
午前のみ4時間
休診
合計週36時間

週2日の休診日と、半日の診療日が1日。この形であれば、週の労働時間は36時間です。法定の40時間まで、4時間の余裕があります。

「クリニックは診療時間が長いから週40時間に収まらない」という前提は、すべてのクリニックに当てはまるわけではありません。週2日休診というスケジュールそのものが、週の枠に収まる構造になっています。

分かれ目になるのは、昼休みの長さ

ただし、週の合計に余裕があることと、1日の労働時間が8時間に収まることは、別の話です。

平日の診療が午前9時から午後1時まで、午後3時から午後7時まで。診療時間の合計は8時間です。しかしスタッフの拘束時間は、午前9時から午後7時までの10時間になります。この10時間から休憩を引いた時間が、その日の労働時間です。

  • 休憩が2時間なら、実働8時間。1日の枠に収まります
  • 休憩が1時間なら、実働9時間。1日8時間を超えます

同じ診療時間でも、昼休みの長さによって結果が変わります。クリニックの昼休みが長いのは患者の来院が途切れる時間帯だからですが、結果として、1日の労働時間を8時間に収める役割を果たしています。

「休診2時間」は「休憩2時間」ではない

ここに、実務で見落とされやすい点があります。休診時間と休憩時間は同じではありません。

午後1時に診療が終わっても、スタッフがすぐに休憩に入れるとは限りません。最後の患者の会計、器具の片付け、カルテの整理があります。午後の診療前にも準備があります。休診が2時間でも、実際に労働から離れられるのは1時間半程度、ということは珍しくありません。

すると計算はこうなります。拘束10時間から休憩1時間30分を引いて、その日の実働は8時間30分。1日8時間を超えます。週の合計は40時間以内なのに、日単位では枠を超えている、という状態です。

自院に変形労働時間制が必要かどうかは、診療時間割ではなく、この「実際に労働から離れている時間」で決まります。確認すべきは、時間割ではなくタイムカードと休憩の実態です。

その昼休みは、労働基準法上の「休憩」か

もう一つ、確認しておきたいことがあります。休憩時間は、労働者に自由に利用させなければならないとされています(労働基準法第34条第3項)。

昼休み中に電話当番を置いている。急患が来たら対応することになっている。院内から離れられない。こうした状態は、労働から解放されているとは言えず、休憩ではなく労働時間と評価される可能性があります。実際に業務が発生したかどうかではなく、対応を求められる状態で待機していること自体が問題になります。

一方で、昼休みに当番を置かず、スタッフが食事のために外出できているクリニックもあります。この場合は休憩として扱って差し支えありません。ここは医院ごとに実態が分かれるところです。

なお、診療所は保健衛生の事業にあたるため、休憩を全員に一斉に与えなければならないという原則は適用されません(労働基準法施行規則第31条)。交代で休憩を回すこと自体は、労使協定がなくても認められています。順番に休むことが問題なのではなく、休憩に入った人が本当に労働から離れられているかが問われます。

ここまでで、週の枠には余裕があること、そして分かれ目は1日8時間にあることを見てきました。では、1日8時間を超える日があると何が起きるのか。次に整理します。

分かれ目は「週40時間」ではなく「1日8時間」

労働基準法は、1週40時間と1日8時間という二つの上限を定めています(労働基準法第32条)。この二つは、それぞれ独立した規制です。片方に収まっていれば、もう片方を超えてよいという関係ではありません。

前の試算では、週の合計は36時間でした。しかし、ある日の実働が8時間30分になっていれば、その日は1日の上限を超えています。週の合計に余裕があっても、この事実は変わりません。

自院に変形労働時間制が必要かどうかを判断するとき、多くの院長が週の合計を見ます。しかし見るべきは、8時間を超える日があるかどうかです。ただし、週の合計も併せて確認が必要です。どの日も8時間以内でも、診療日数によっては週40時間を超えることがあります。

8時間を超えたら違法、ではない

ここで、よくある誤解を整理します。1日8時間を超えて働かせることは、違法ではありません。

時間外・休日労働に関する協定(36協定)を締結して労働基準監督署に届け出れば、法定労働時間を超えて労働させることができます(労働基準法第36条)。そのうえで、超えた分に25%以上の割増賃金を支払う。これが原則的な形です(労働基準法第37条)。

つまり、1日8時間を超える日があるクリニックが直面しているのは「違法状態」ではなく、「割増賃金が発生する」という費用の問題です。

先ほどの例で言えば、実働8時間30分の日には、30分の割増賃金が発生します。これが週4日、月に換算すれば約8時間分。年間では100時間近くになります。スタッフの人数を掛ければ、決して小さくない金額です。

なお、36協定を締結せずに8時間を超えて働かせている場合は、これとは別の問題になります。36協定の要否や届出については、クリニック・歯科医院の36協定。出していても無効になる4つの落とし穴で扱っています。

変形労働時間制が変えるのは「割増賃金の要否」

では、1か月単位の変形労働時間制を導入すると何が変わるのか。

この制度は、1か月以内の期間を平均して1週間あたりの労働時間が法定の枠を超えない範囲で、特定の日に8時間を超える所定労働時間を設定できるものです(労働基準法第32条の2)。

あらかじめ「この日は9時間勤務」と定めておけば、その9時間はその日の所定労働時間になります。8時間を超えていても、割増賃金は発生しません。その代わり、別の日や週の労働時間を短くして、期間全体で平均を法定の枠内に収める必要があります。

整理すると、次のようになります。

8時間超の日の扱い割増賃金
原則(変形労働時間制なし)時間外労働8時間を超えた分に発生
1か月単位の変形労働時間制あらかじめ特定していれば所定労働時間その範囲では発生しない

多くの解説が「残業代を削減できる」と説明するのは、この仕組みを指しています。事実としてはそのとおりです。ただし、削減されるのはあらかじめ特定した範囲に限られます。特定した時間を超えて働けば、そこには時間外労働として割増賃金が発生します。

変形労働時間制を入れても、36協定は必要

もう一つ、実務で誤解が生じやすい点があります。変形労働時間制を導入すれば36協定が不要になる、というものです。

これは誤りです。変形労働時間制は、あらかじめ定めた枠の中で労働時間を配分する制度にすぎません。急患対応やレセプト業務で、特定した時間や期間全体の枠を超えて働かせる場面は必ず生じます。その場合は時間外労働にあたり、36協定がなければ違法になります。

変形労働時間制を導入しても、労働時間の管理が楽になるわけではありません。むしろ、日ごとに所定労働時間が異なるため、どこからが時間外労働かの判定は複雑になります。

なお、週44時間まで認められる特例を使えるクリニックもありますが、その場合も1日の上限は8時間のままです。「週44時間だから9時間働かせても問題ない」という理解は誤りです。この特例については次に扱います。

自院はどちらか——3つの判定ポイント

ここまでの整理を、自院に当てはめてみます。次の3点を順に確認してください。

1. 実働8時間を超える日があるか

診療時間割ではなく、タイムカードで確認します。拘束時間から、実際に労働から離れられている時間を引いた結果が8時間を超える日があるか。ここまでで見たとおり、これが最初の分かれ目です。

超える日が一日もなければ、次の判定に進んでください。

2. 休憩が実際に取れているか

昼休みに電話当番を置いている、急患対応のため院内で待機させている。こうした運用があれば、その時間は休憩ではなく労働時間と評価される可能性があります。

判定1で「8時間以内」と出た場合でも、休憩の実態次第で結果が変わります。まずここを確認してから、判定1に戻ってください。

3. 週40時間(特例対象なら44時間)を超える週があるか

1日8時間を超えていなくても、週の合計が法定の枠を超えれば同じことです。平日5日を各8時間、土曜午前を4時間とすれば、どの日も8時間以内ですが、週の合計は44時間になります。

隔週で土曜診療がある、平日の診療日数が多いといったクリニックは、週単位でも確認してください。

ただし、変動が「所定労働時間の設定」ではなく「残業の発生」として現れているのであれば、変形労働時間制では解決しません。あらかじめ特定した労働時間を配分する制度であり、突発的な業務量の変動には対応できないためです。

週44時間の特例が使えるか、使っているか

判定3の前提として、自院がどちらの基準で判断すべきかを確認しておきます。

常時使用する労働者が10人未満の診療所・歯科医院は、保健衛生の事業として、1週間の法定労働時間が44時間となる特例の対象になります(労働基準法施行規則第25条の2第1項)。届出や許可は不要で、要件を満たせば当然に適用されます。

人数は事業場ごとに数え、パート・非常勤も含めます。ただし満18歳未満の年少者には特例が適用されません。

重要なのは、この特例で緩和されるのは「週」だけだという点です。条文には「一週間について四十四時間、一日について八時間まで」と書かれており、1日の上限は8時間のまま変わりません。「週44時間の特例があるから9時間勤務でも問題ない」という理解は誤りです。

特例が使える事業場の9割近くが、使っていない

この特例について、示唆的なデータがあります。

厚生労働省の労働基準関係法制研究会が2025年1月に公表した報告書によれば、週44時間の特例措置の対象となる事業場のうち87.2%が、この特例を使っていないとされています。報告書はこの現状を踏まえ、特例は概ねその役割を終えていると評価し、撤廃に向けた検討に取り組むべきだとしています。

つまり、特例を使える事業場の9割近くが、原則どおり週40時間以内で組んでいるということです。当事務所の顧問先でも、44時間を前提に設計しているクリニックはほとんど見かけません。

このデータは変形労働時間制の採用状況を示すものではありませんが、「特例や例外的な制度を使わなくても運用できている事業場が多数派である」という実態を、公的資料が示しているとは言えます。制度が用意されていることと、自院に必要であることは別の問題です。

なお、変形労働時間制の採用率としてよく引用される数字には注意が必要です。厚生労働省の就労条件総合調査は、常用労働者30人以上の民営企業を調査対象としています。10人前後のクリニックは、そもそも調査の対象外です。「企業の6割が導入している」といった数字を、自院の判断材料にする必要はありません。

導入すると決めた場合に、必ず必要になること

判定の結果、変形労働時間制を導入すると決めた場合。この制度は、就業規則に一文を加えれば使えるというものではありません。要件を欠くと制度そのものが無効となり、8時間を超えた分の割増賃金を原則どおり支払うことになります。

1. 就業規則または労使協定で定める

1か月単位の変形労働時間制は、就業規則その他これに準ずるもの、または労使協定によって導入します(労働基準法第32条の2第1項)。

常時10人未満のクリニックには就業規則の作成・届出義務がないため、就業規則(またはこれに準ずる規程)を作成して周知する方法が現実的です(労働基準法施行規則第12条)。労使協定による場合は、有効期間を定めたうえで(施行規則第12条の2の2第1項)、所轄の労働基準監督署長への届出が必要です(同条第2項)。

なお、クリニックに就業規則は必要か?10人未満でも整備すべき理由で扱ったとおり、10人未満でも就業規則を整えておく意味は別にあります。

2. 起算日を明らかにする

変形期間の起算日を定める必要があります(施行規則第12条の2第1項)。給与の締め日と揃えておくと、後の計算が煩雑になりません。

3. 各日・各週の労働時間をあらかじめ特定する

最も重要な要件です。行政解釈では、変形期間における各日・各週の労働時間を具体的に定めることを要し、使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度はこれに該当しないとされています(昭和63年1月1日基発第1号、同年3月14日基発第150号)。

つまり、「忙しい日は長く働かせる」という運用は認められません。変形期間が始まる前に、どの日が何時間勤務かを決めておく必要があります。

4. 総枠を超えないようにする

変形期間中の所定労働時間の合計が、法定労働時間の総枠に収まっている必要があります。総枠は「週の法定労働時間×変形期間の暦日数÷7」で計算します。

暦日数週40時間の場合週44時間の場合
28日160時間00分176時間00分
29日165時間42分182時間17分
30日171時間25分188時間34分
31日177時間08分194時間51分

前に見たとおり、特例の対象であれば44時間を基準に計算できます(施行規則第25条の2第2項)。ただし1日の上限が8時間である点は変わりません。

シフト制の場合、どこまで書けばよいか

日によって勤務パターンが異なる場合、就業規則にすべての日の労働時間を書き込むことはできません。この場合、就業規則に各勤務の始業・終業時刻、勤務の組み合わせの考え方、勤務割表の作成手続と周知方法を定めておき、それに従って変形期間の開始前までに各日の勤務割を具体的に特定すれば足りるとされています(前掲通達)。

注意が必要なのは、就業規則に定めていない勤務パターンを使わないことです。実際の勤務が就業規則に書かれていない独自のシフトで組まれていると、特定の要件を満たしていないと判断される可能性があります。

シフトを組んだ後の変更も、原則として認められません。スタッフの急な欠勤に応じて他のスタッフの勤務時間を変更する運用が常態化していれば、制度の前提が崩れます。

すでに週40時間で回っている場合は、慎重に

現在1日8時間・週40時間で運用していて、8時間を超えた分に割増賃金を支払っているクリニックが変形労働時間制を導入すると、スタッフから見れば、これまで支払われていた割増賃金が支払われなくなります。

労働条件の不利益変更にあたる可能性があり、就業規則の変更で一方的に行うことには法的なリスクがあります。労働契約法では、労働者と合意することなく就業規則を変更して労働条件を不利益に変更することはできないとされ(労働契約法第9条)、例外として、変更が合理的で、かつ変更後の就業規則を周知させた場合に効力が生じるとされています(同法第10条)。

人件費の削減のみを理由とした導入は、合理性が問題となり得ます。導入を検討する場合は、労働基準監督署や顧問社労士に相談することをお勧めします。

なお、賃金の支払い方を見直す方法は、変形労働時間制のほかにもあります。固定残業代の扱いについては、クリニックの固定残業代、やめるには。廃止の手順と不利益変更の実務で整理しています。

スタッフへの説明を欠かさない

法的な手続とは別に、実務上欠かせないのがスタッフへの説明です。

変形労働時間制のもとでは、1日9時間働いても割増賃金が発生しない日があります。制度上は適法でも、説明がなければ「同じように働いているのに手当が減った」という受け止めになります。少人数の職場では、こうした不信が定着率に直結します。

なぜその日が9時間なのか、その分どの日が短くなっているのか。導入前に説明し、勤務割表を確実に周知する。これは労働基準法上の周知義務でもありますが、それ以上に、制度を続けられるかどうかを左右します。

週44時間の特例は、今後見直される可能性がある

前に触れた報告書は、週44時間の特例について撤廃に向けた検討に取り組むべきだとしています。ただし2026年8月時点で、これを実現する労働基準法の改正は成立しておらず、特例は現行法上有効です。時期の見通しも確定していません。

現時点で44時間を前提に設計する必要はありませんが、将来的に40時間へ移行した場合に自院の勤務表が成り立つかを試算しておくと、変更が生じたときに慌てずに済みます。

よくある質問

1日9時間働いた日があるのに、残業代が出ません。違法ではないのですか

変形労働時間制が適法に導入されていれば、違法とは限りません。この制度では、あらかじめ「その日は9時間勤務」と特定していれば、9時間がその日の所定労働時間になり、8時間を超えた分の割増賃金は発生しません。

ただし、これは要件を満たしている場合に限られます。勤務割表が事前に示されていない、就業規則に定めのない勤務パターンで働いている、といった状態であれば、制度自体が有効に成立していない可能性があります。

昼休みに電話当番をしています。これは休憩時間ですか

労働から解放されていない時間は、休憩とは扱われません。休憩時間は労働者に自由に利用させなければならないとされており(労働基準法第34条第3項)、電話対応や急患対応を求められる状態での待機は、実際に業務が発生したかどうかにかかわらず、労働時間と評価される可能性があります。

一方、当番を置かず、外出を含めて自由に過ごせているのであれば休憩として扱って差し支えありません。

変形労働時間制を導入すれば、36協定は不要になりますか

不要にはなりません。変形労働時間制は、あらかじめ定めた枠の中で労働時間を配分する制度です。特定した労働時間や期間全体の総枠を超えて働かせる場合は時間外労働にあたり、36協定の締結と届出が必要です。

10人未満の医院では、就業規則と労使協定のどちらで導入すべきですか

どちらでも導入できます(労働基準法第32条の2第1項)。常時10人未満の事業場には就業規則の届出義務がないため、就業規則またはこれに準ずる規程を作成して周知する方法が、手続としては簡便です。労使協定による場合は、有効期間を定めたうえで所轄の労働基準監督署長への届出が必要になります。

決めたシフトを途中で変更できますか

原則としてできません。行政解釈では、使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度は変形労働時間制に該当しないとされています(昭和63年1月1日基発第1号ほか)。

スタッフの急な欠勤に応じて他のスタッフの勤務時間を変更する運用が常態化していれば、制度の前提が崩れます。少人数のクリニックでは、この硬直性が実務上の負担になりやすい点に注意が必要です。

まとめ|制度は手段であって、目的ではありません

本記事の要点を整理します。

  • クリニックによく見られる「週2日休診+半日診療日1日」というスケジュールは、週の法定労働時間に収まる構造になっています
  • 変形労働時間制が必要かどうかを決めるのは、週の合計ではなく1日8時間を超える日があるかどうかです。ただし、診療日数によっては週40時間を超えることもあるため、週単位の確認も必要です
  • 1日の労働時間は昼休みの長さで変わります。ただし休診時間と休憩時間は別であり、実際に労働から離れられている時間で判断します
  • 昼休みに電話当番などがあれば、その時間は休憩と扱われない可能性があります
  • 1日8時間を超えること自体は違法ではありません。36協定と割増賃金の問題です
  • 導入する場合、各日・各週の労働時間をあらかじめ特定することが不可欠です。要件を欠けば制度が無効となり、割増賃金は原則どおり発生します

当事務所では、変形労働時間制を積極的にお勧めしてはいません。必要性を判断したうえで、導入するかどうかを決めています。制度が用意されていることと、自院に必要であることは別の問題です。

なお、本記事は2026年8月時点の法令に基づいています。週44時間の特例をはじめ、労働時間法制は見直しが議論されており、内容が変わる可能性があります。実際の導入にあたっては、厚生労働省や労働基準監督署の最新の情報をご確認ください。判断に迷う場合は、労働基準監督署や顧問社労士などの専門家にご相談ください。

変形労働時間制を導入した場合、残業代の計算方法は原則の場合と異なります。日ごと・週ごと・変形期間ごとの3段階で判定する必要があり、給与計算の実務は複雑になります。この点は別記事で詳しく扱う予定です。

医療・介護・福祉の事業者さまへ


顧問先の約8割が医療機関・介護福祉事業所です。業種は問いませんので、他の業種の事業者さまもご相談いただけます。労務相談と手続き代行を継続的にお受けする顧問契約(月額22,000円〜・税込)のほか、就業規則の作成・変更、助成金の申請代行、給与計算のみのご依頼もお受けしています。何をどこまでお受けするか、料金と契約の条件は業務案内に記載しています。ご契約前の面談は無料です。オンラインで全国対応。

※ご相談は事業者さまからのみお受けしています。従業員個人における案件(障害年金や賃金未払い請求に関するご相談など)のご相談はお受けできません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

川西 隆之のアバター 川西 隆之 社会保険労務士

兵庫県川西市の川西隆之社労士事務所
クラウドツールを活用した労務のデジタル化を得意としています
(ジョブカン認定アドバイザー)

税理士事務所勤務平成22年3月~平成31年1月
社労士業補助平成22年3月~平成28年8月
社労士登録平成28年9月~
1984年3月9日生まれ。
兵庫(但馬)産まれ兵庫(但馬)育ち。川西市在住。
一人の妻と3人の子どもたち。

2005年社労士試験合格
2016年開業登録(岐阜県)
→2020年より兵庫県川西市にて開業

以下の事項に力を入れています。
・クラウド勤怠管理・給与計算を利用した勤怠管理・給与計算の効率化
→給与計算に必要な時間の圧倒的な削減

・クラウド労務管理を導入することで、法定帳簿の管理・社会保険手続きの効率化
→代行することなく自社での管理・申請が容易に可能

・適切な労務管理を行うことによる、労使トラブルの防止
→疑問点があれば、その都度の相談可能

目次