クリニック・介護事業所の就業規則作成

クリニック、歯科医院、介護事業所の就業規則の作成・変更をお受けしています。顧問契約がなくても、就業規則のみのご依頼が可能です。

就業規則は事業所のルールですが、労働基準法をはじめとする複数の法律の枠内で作る必要があります。そのうえ、変形労働時間制、夜勤、シフト勤務、曜日で変わる診療時間といった要素が重なるため、一般的なひな形では収まらない部分が多く出てきます。

このページでは、何をどこまでお受けするのか、料金はいくらか、作成にどのくらいかかるのかを書いています。

就業規則は、ひな形で作れるか?

就業規則は事業所のルールですが、労働基準法の知識なしに作れるものではありません。

規則に書ける内容には制約があります。法律の基準を下回る定めは、その部分が無効になります。逆に、法律より有利な条件を書けば、それが事業所の義務になります。書いた内容が有効かどうかの判断には、条文の理解が要ります。

そのうえ、就業規則が対応すべき法律は労働基準法だけではありません。労働安全衛生法、育児・介護休業法、労働施策総合推進法。それぞれに、規則に定めるべき事項や、措置を講じるべき事項があります。改正のたびに、どの規程のどこを直すのかを判断することになります。

つまり、「ひな形が使えるかどうか」という問いの立て方自体が、実態に合っていません。ひな形は出発点にはなりますが、そこから何を足し、何を自事業所の実態に合わせて書き換えるかが作業の本体です。

助成金の要件になることがあります

もうひとつ、見落とされやすい点があります。

助成金の申請を依頼されたとき、支給要領・支給要綱の次に確認するのが就業規則です。それほど、助成金の審査において就業規則の位置づけは高い。規定の書き方ひとつで受給できないというケースもあります。

賃金規程の定め方、正社員転換の規定、休暇制度の定め。これらが要件を満たしていないと、実態としては条件を満たしていても支給されません。申請の直前に気づいても、遡って規則を変えることはできません。

助成金の活用を考えている事業所では、就業規則を整える段階で、そこまで見ておく必要があります。

医療機関・介護事業所で、特に手が入る箇所

ひな形に書かれていないわけではありません。書かれてはいるが、実態に合わせないと機能しない箇所が、この分野には集中しています。

診療時間に合わせた労働時間の定め方

曜日によって診療時間が違う、土曜は午前のみ、といった勤務では、1日8時間・週40時間の枠に、そのまま収まらないことがあります。1か月単位の変形労働時間制を採用するかどうかの判断が必要になり、採用する場合は、就業規則または労使協定にどう定めるかで、後の残業代の計算まで変わります。

制度を入れるべきかどうかは、クリニックに1か月単位の変形労働時間制は必要かで解説しています。

午前診療と午後診療の間の時間

この時間を休憩とするのか、勤務時間の一部とするのか。規則にどう書くかだけでなく、実際にどう過ごしているかと一致していなければ、書いた内容は意味を持ちません。院内に残って電話番をしてもらっているなら、休憩と定めていても労働時間です。

規則の作成では、この時間に何を求めているのかを確認したうえで、定め方を決めます。

有給休暇の数え方

診療時間が曜日で異なる事業所では、1日の有給が何時間分にあたるのかが、曜日によって変わります。半日単位の取得を認める場合、その「半日」をどう定義するかも決めておく必要があります。

ここを定めないまま運用すると、職員ごとに扱いが変わり、後から統一するのが難しくなります。詳しくはクリニックの有給休暇、午前診療日は1日か半日かをご覧ください。

ハラスメントに関する規定

既存の規程で最も欠けているのがこの部分です。

事業主には、職場におけるハラスメントの防止措置を講じる義務があります。方針の明確化と周知、相談窓口の設置、事案への対応。これらを就業規則や別規程に定めていない状態は、義務を果たしていないと判断されうる状態です。

医療機関・介護事業所では、職員間だけでなく、患者・利用者やその家族からの言動も問題になります。介護分野では、こうしたカスタマーハラスメントへの対策が新たに義務づけられます。対応する規定を持っているかどうかで、実際に事案が起きたときの動き方が変わります。

規程の整え方は、介護事業所のカスハラ対策。就業規則・規程・相談体制の整え方で解説しています。

既存の規程を見直す場合

すでに就業規則がある事業所でも、作った当時のまま運用されていることが少なくありません。見直しのご依頼で実際に多いのは、次の2つです。

法改正に追いついていない

就業規則に関わる法律は、たびたび改正されます。特に育児・介護休業法は改正の頻度が高く、直近でも2024年5月の改正が2025年4月と10月の2段階で施行されました。子の看護休暇の対象範囲、所定外労働の制限、介護離職を防ぐための措置。それぞれについて、規程の見直しが必要になっています。

ハラスメントに関する規定も、欠けていることが多い箇所です。

改正に対応していない規程は、そのまま置いておくだけなら気づかれません。問題になるのは、実際に職員から申出があったときです。規程どおりに断ったところ、法律上は認めなければならないものだった、という形で表面化します。そのときには、すでにトラブルになっています。

手続きを踏まずに変更している

就業規則の変更には、労働者の過半数代表者からの意見聴取と、労働基準監督署への届出、そして職員への周知が必要です。この手順を省いてしまう事業所は、少なくないと感じています。

規則を直したこと自体を職員が知らない、という状態が生まれます。平時は問題になりませんが、その変更が職員にとって不利なもの(不利益変更)であった場合、後から効力を争われることになります。手当を減らした、休暇の条件を厳しくした、といった変更です。

「規則にそう書いてある」と示しても、変更を知らされていなかったという主張が出れば、そこが争点になります。手順を踏んでいれば防げたはずのものです。

当事務所では、規程の作成・変更にあたって、意見聴取と届出、周知の方法まで含めてお手伝いします。

お受けする範囲

3つの区分

ご依頼の内容によって、次の3つに分かれます。

新規作成|就業規則がない状態から作ります。常時10人以上の職員を使用する事業所には作成と届出の義務がありますが、10人未満の事業所でも、作っておく意味はあります。判断の基準がない状態で個別に対応すると、職員ごとに扱いが変わり、後から統一するのが難しくなるためです。10人未満の事業所については、クリニックに就業規則は必要かで詳しく書いています。

全部改定|既存の規則を、全体にわたって見直します。法改正への対応が長く止まっている場合、勤務の実態と規則が離れている場合は、部分的に直すより全体を組み直すほうが早いことがあります。

一部変更|特定の条項だけを変更します。

各種規程も含みます

賃金規程、育児・介護休業規程、ハラスメント防止規程など、必要な附属規程の作成・改定を含みます。

就業規則の本体だけを整えても、賃金の決め方が別規程にあれば、両方の整合が取れていなければ意味を持ちません。どの規程が必要かは、事業所の状況によって変わります。面談の際に確認したうえで、お見積りをお出しします。

労働基準監督署への届出まで行います

作成・改定した規程は、届出まで対応します。意見聴取の進め方、意見書の様式、周知の方法についても、あわせてご案内します。

届出は電子申請で行います。過半数代表者に署名いただいた意見書は、PDFにしてお送りいただければ、そのまま添付して申請できます。窓口へ出向く必要も、規則を製本して持参する必要もありません。

料金

金額はすべて税込です。

顧問契約のお客様顧問契約以外のお客様
新規作成165,000円〜220,000円〜
全部改定88,000円〜165,000円〜
一部変更顧問料の範囲内(軽微な変更)33,000円〜

一部変更について。条文内の数字の変更、法改正に伴う条ずれや文言の修正など、規定の設計そのものを変えない修正であれば、顧問契約の範囲内で対応します。

一方、新しい制度を導入する、労働時間の枠組みを変える、手当の設計を組み替えるといった変更は、実態の確認と他の規定との整合の点検が必要になるため、別途お見積りをお出しします。

金額に幅があるのは

規程の複雑さと、必要な規程の数によって決まります。

厚生労働省のモデル就業規則をベースに整える場合と、勤務実態に合わせて一から作成する場合とでは、必要な作業量が大きく異なります。医療機関・介護事業所では、変形労働時間制、夜勤、シフト勤務など、一般的なひな形では収まらない要素が多くあります。

既存の規程の有無だけでなく、実際の勤務実態を確認したうえで作成・改定するため、金額は事業所ごとに異なります。現状を伺ったうえで、お見積りをお出しします。

顧問料、給与計算、助成金申請代行の報酬は、料金ページにまとめています。

作成の流れと期間

ゼロから作成する場合、3か月から半年ほどを見ておいてください。手順は次のとおりです。

1. ヒアリング

現在の勤務の実態を伺います。診療時間や営業時間、シフトの組み方、休憩の取らせ方、賃金や手当の決め方、休暇の運用。既存の規程がある場合は、それも拝見します。

ここで確認するのは、規則に何を書きたいかではなく、実際にどう運用しているかです。実態と離れた規則を作っても、機能しないためです。

2. ドラフトの作成

伺った内容をもとに、規程の案を作ります。

3. 打ち合わせ

ドラフトをご覧いただき、細かい箇所を詰めます。ここが最も時間のかかる工程です。

規則には、いま決めていない事項を決めなければならない箇所が出てきます。慶弔休暇を何日にするか、試用期間をどう扱うか、退職の申出は何日前までとするか。これまで慣行で処理してきたことに、はじめて線を引く作業になります。事業所内での検討が必要な事項も出てきますので、その分の期間を見ておく必要があります。

4. 確定

内容を確定します。

5. 意見聴取

労働者の過半数代表者から意見を聴き、意見書を作成していただきます。過半数代表者は、適正な方法で選出されている必要があります。選び方についてもご案内します。

6. 届出と周知

労働基準監督署へ届け出ます。あわせて、職員への周知を行っていただきます。周知まで済んで、はじめて効力を持ちます。

期間について

3か月から半年という幅は、主に第3工程で決まります。事業所内での検討にどれだけ時間を取れるかによって変わるためです。

急ぐ事情がある場合は、その旨をお知らせください。助成金の申請期限に間に合わせる必要がある、開業日が決まっているといった場合は、優先すべき箇所から進める形をご提案します。ただし、実態の確認を省くと、後から作り直すことになります。

よくある質問

就業規則の作成だけを依頼できますか

できます。顧問契約は必要ありません。就業規則の作成・変更は、顧問契約がなくても単独でお受けしています。

なお、顧問契約をご利用の場合は料金が変わります。上記の料金表をご覧ください。

職員が10人未満でも作ってもらえますか

お受けしています。

常時10人以上を使用する事業所には作成と届出の義務がありますが、10人未満の事業所でも作る意味はあります。判断の基準がない状態で個別に対応していると、職員ごとに扱いが変わり、後から統一するのが難しくなるためです。

今ある規則を、見てもらうだけということはできますか

点検のみのご依頼はお受けしていません。

規則を読むだけでは、それが適切かどうかを判断できないためです。書かれている内容が問題なのではなく、実際の勤務と食い違っていることのほうが多く、それは規則を読んだだけでは分かりません。勤務の実態、賃金台帳、勤怠の記録を確認して、はじめて判断できます。

確認を含めてご依頼いただく場合は、変更のご依頼としてお受けするか、顧問契約(Aプラン)の中で継続的に対応する形になります。

作成後の変更は、その都度費用がかかりますか

顧問契約をご利用の場合、軽微な変更は顧問料の範囲内で対応します。条文内の数字の変更、法改正に伴う条ずれや文言の修正などです。

制度そのものを変更する場合は、別途お見積りをお出しします。顧問契約がない場合は、一部変更として33,000円〜となります。

ご依頼までの流れ

  1. フォームからお問い合わせ
  2. 3営業日以内にご返信
  3. 面談(対面またはGoogle Meet)
  4. ご提案・お見積り

面談は無料です。現在の規程の状況と勤務の実態を伺ったうえで、お見積りをお出しします。

ご相談は事業者さまからのみお受けしています。従業員の方個人からのご相談はお受けできません。