プロフィール

社会保険労務士 川西隆之

兵庫県川西市で社会保険労務士をしている、川西隆之です。クリニック、歯科医院、介護事業所の労務管理を中心にお受けしています。

このページには、私がどんな経験をしてきて、何ができて、何ができないのかを書いています。依頼を検討する段階では、相手がどういう人間なのかが見えにくいと思いますので、経歴だけでなく、失敗した話や、お受けできないことまで含めて書きました。

医療・介護の労務が、他の業種と違うところ

医療機関や介護事業所の労務が難しいのは、適用される法律が特別だからではありません。労働基準法も社会保険の仕組みも、他の業種と同じものが適用されます。違うのは勤務の形のほうで、そのために一般的な労務管理の型が、そのままでは当てはまらない場面が出てきます。ご相談をいただくことが多いのは、次の3つです。

午前診療と午後診療の間の時間

クリニックでは、午前と午後の診療の間に、数時間空くことがあります。この時間を休憩として扱えるかどうかは、時間帯や長さではなく、スタッフが実際にどう過ごしているかで決まります。労働基準法第34条第3項は、休憩時間を自由に利用させなければならないと定めており、休憩とは労働から離れることが保障された時間を指すためです。院内に残って電話番や来客の対応をしてもらっているなら、それは休憩ではなく手待ち時間、つまり労働時間です。ここを取り違えると、日々の労働時間の集計と割増賃金の計算が、根本からずれていきます。

なお、医療機関や介護事業所が該当する保健衛生業は、休憩を一斉に与える原則の適用除外業種です(労働基準法施行規則第31条)。交替で休憩を取らせる設計そのものは可能ですので、問題になるのは取らせ方ではなく、その時間の中身のほうです。

夜勤を「何日」と数えるか

介護事業所の夜勤では、ひとつの勤務が2つの暦日にまたがります。この勤務を1日と数えるか2日と数えるかは、手続きによって答えが変わります。

雇用保険では、深夜労働に従事して翌日にわたり、かつその労働時間が8時間を超える場合、これを2日として計算します。労働基準監督署の許可を受けた宿直であれば、翌日にわたっても2日とはしません。一方、健康保険・厚生年金保険の算定基礎届などで用いる支払基礎日数では、日をまたいでも2日とは数えません。

つまり、同じ1回の夜勤が、離職票では2日、算定基礎届では1日になることがあります。離職票の賃金支払基礎日数は、退職された方が失業給付を受けられるかどうかの判断に直結する数字です。シフト表を見ただけでは決まらず、所定労働時間の定め方まで遡って確認する必要があります。

非常勤の方が多いこと

非常勤やパートの方が多い職場では、雇用保険と社会保険の加入判定を、一人ひとりについて行うことになります。医療・介護は人の出入りも比較的多いため、そのたびに判定と手続きが発生します。加入漏れは、本人が給付を受ける段階になってから表面化することが多く、その時点では遡って処理することになります。

これらは、法律の知識というより、現場の勤務の形を知っているかどうかの問題だと考えています。シフト表と勤怠データを見て、どこで判断が分かれそうかの見当がつく。この分野に関わり続けている意味は、そこにあると思っています。

なぜ、医療・介護の分野になったか

正直に申し上げると、開業したときから医療・介護に特化するつもりだったわけではありません。

初めてクリニックの顧問をお受けしたのが2022年2月です。そこから、同じような課題を抱えた院長や施設の方からのご相談・ご紹介が続き、気づいたときには顧問先の約8割が医療機関と介護福祉事業所になっていました。戦略として分野を選んだというより、続けた結果としてそうなった、というのが実際のところです。

ただ、続いた理由はあったと思っています。ひとつの事業所で扱う論点が多く、しかも同じ論点が別の事業所でも出てきます。前に調べたことが次に生きる分野で、関わるほど判断が速く、確かになっていく実感があります。

専門分野というのは、はじめに掲げるものではなく、積み重ねの結果として後からついてくるものだと考えています。

経歴

社会保険労務士試験に合格したのは2005年、大学在学中でした。大学では2回生のときから学業優秀者として表彰を受けており、その延長で在学中に受験しています。登録したのは2016年ですので、資格を取ってから11年空いています。この間、何をしていたかを書いておきます。

2006年に京都学園大学法学部(現・京都先端科学大学)を卒業し、最初に勤めたのはパチンコホールの運営会社でした。同年4月の入社で、翌2007年4月に班長になっています。新入社員・一般社員、アルバイトを含めた現場の人員をチームで動かす立場です。労務の仕事を始めてから振り返ると、シフト勤務で人の入れ替わりが多いという点で、いま関わっている医療機関や介護事業所と現場の構造はよく似ていました。この時期に、人が動く現場を管理する側から見た経験は、後の仕事の土台になっています。

2010年3月から2019年1月までは、税理士事務所に勤めました。税理士補助者として顧問先に伺い、税務会計の業務と経営のご相談に対応する仕事です。担当は法人・個人を合わせて30件ほど。地域柄、建設業が多く、ほかに製造、卸、小売、歯科クリニックがありました。規模は、年商数百万円の個人事業から十数億円の法人までと幅がありました。

同じ事務所には社労士業務も併設されており、そちらも20件ほど担当していました。役員のみの法人から、従業員300名超の法人まで。300名超の給与計算も、この時期に担当しています。当時は勤務先の方針により社会保険労務士としての登録はしておらず、補助者としての関与でした。

2016年9月に社会保険労務士として登録し、同年、勤務先併設の形で岐阜県内に事務所を開設しました。2019年1月に退職し、2020年6月に兵庫県川西市で独立しています。

振り返って、いまの仕事につながっていると感じるのは次の点です。

  • 給与計算を、数十人規模から数百人規模まで実際に回した経験があること。人数が増えたときに何が問題となるかが、感覚として分かります
  • 税務・会計と労務を、同じ顧問先で同時に見ていたこと。経営を考えるうえで、お金と人は切り離せません。労働保険料も社会保険料も、最終的には事業所の資金繰りに乗る数字です
  • 業種の幅があったこと。医療・介護に絞ったのは後年ですが、他業種を知っているぶん、この分野の何が特殊なのかが分かります
  • 税理士事務所所在地の地場産業が建設業だったことから、実は建設業の手続きの経験も多いです。

年表

  • 2005年 社会保険労務士試験 合格
  • 2006年 京都学園大学法学部(現・京都先端科学大学) 卒業、パチンコホール運営会社に入社
  • 2010年3月〜2019年1月 税理士事務所勤務(税理士補助者・社労士業務補助)
  • 2016年9月 社会保険労務士 登録(登録番号 21160012)
  • 2016年 開業登録(岐阜県)
  • 2020年6月 兵庫県川西市に事務所開設

失敗を経て、いまの形になりました

いまでこそ、可能な手続きはすべて電子申請で行っていますが、最初からできたわけではありません。

電子申請を始めたのは2017年です。当時は勝手が分からず、提出代行を証明する書類の扱い、添付書類の付け方、連番の振り方といった細かいところで詰まり、エラーが返ってくることが続きました。結局その場では処理しきれず、書面での提出に切り替えたこともあります。顧問先にご迷惑をおかけしました。

そのあとも同じことを繰り返しながら覚えていき、いまは社労士向けソフトのAPI連携による申請から、e-Govを使った申請まで、可能なものはすべて電子申請で処理しています。窓口に行かず、郵送もしないぶん、手続きの処理は速くなりました。「電子申請に対応しています」と書けるようになるまでに、数年かかっています。

もうひとつ、いまのサービスの形が決まったきっかけがあります。

2021年に、ある事業所から給与計算を委託したいというご相談をいただきました。お引き受けすれば、こちらの売上にはなります。ただ、そのときは事務所側のソフトウェア環境が十分に整っておらず、外に出すより、事業所の中で回るようにしたほうが早いのではないかと考えました。それで、代行ではなく内製化を中心に検討したのが始まりです。

クラウドの勤怠管理と給与計算に本格的に取り組み始めたのは、このときからです。動機が高尚だったわけではありません。こちらの都合も混じっていました。ただ、実際に組んでみると、事業所の中で完結したほうが確認も修正も速く、外注のほうが確実な場面と、そうでない場面がはっきり分かれることが見えてきました。

いま、給与計算について内製化の支援と代行の両方をご用意しているのは、この経験によるものです。どちらが正しいという話ではなく、事業所の体制によって答えが変わります。担当者を置く余裕がない事業所や、手当の計算が複雑になる事業所では、外に出したほうが確実な場合もあります。

道具の使い方について

もともと、自分の作業を自動化するのが好きです。手間のかかる処理があると、まずGoogle Workspaceでどうにかできないかを考えます。スプレッドシートやGASで手作業を減らすことを、仕事の合間に考えているような性分で、クラウドツールの導入支援に行き着いたのも、その延長でした。事業所で手間になっている作業は、たいてい私の側でも手間になっています。だから、減らす方法を探すことになります。

新しい道具も、だいたい先に試します。生成AIも日常的に使っていて、このサイトの記事は、調査と構成の段階でAIを使って書いています。ただし、制度の解釈や数値は、条文・支給要綱・公的機関の公表情報にあたって確認したうえで公開しています。AIは調べものと考えの整理には役立ちますが、事業所ごとの判断を任せられる道具ではありません。

労務管理についても同じ順番だと考えています。まず必要なのはIT化で、勤怠や給与のデータがそもそも手元にデジタルで揃っていない状態では、AIを持ち込んでも使いどころがありません。土台ができたうえで、はじめて次の道具の話になります。

ご依頼いただいた後のこと

依頼を検討する段階では、契約後に実際どうなるのかが見えにくいと思います。あらかじめお伝えできることを書いておきます。

連絡はメールとチャット(Chatwork・Google Chat)で承っています

理由は2つあります。ひとつは、ひとり事務所のため、かかってきた電話に確実に出られるとは限らないことです。折り返しをお待たせするくらいなら、いつでも送っていただける方法に統一したほうが、結果として早く回ります。

もうひとつは、労務のご相談は口頭のやり取りだけでは正確に答えられないことが多いためです。就業規則の規定ぶりや賃金台帳、実際の勤務の記録を確認して初めて判断できる論点が少なくありません。文字で残っていれば、確認したうえで回答できますし、以前どう回答したかを後から双方で辿ることもできます。急ぎのご連絡が不便になる面はありますが、正確さのほうを取っています。

ご契約後のご相談には、翌営業日中の返信を目安にしています。調べたうえでお答えすべき内容の場合は、いつごろお返事できるかを先にお伝えします。手続きの期限が迫っているご相談は、その旨をお書き添えください。

ひとり事務所です

窓口と実務の担当者が分かれていません。ご相談いただいた相手が、そのまま手続きを行います。引き継ぎによる説明のやり直しは発生しませんが、その分、私が動けなくなればどうなるのか、というご懸念はあると思います。

過去に入院していた期間がありますが、その間もメールとチャットでのご対応は継続しました。連絡と資料のやり取りが記録に残る形になっていて、業務の記録もクラウド上にあるため、場所や状況に左右されにくい体制ではあります。もちろん、何があっても止まらないとまでは申し上げられません。ただ、日常のご連絡が滞らないようにする備えは、この形にしている理由のひとつです。

手続きは電子申請で行います

窓口へ出向いていただく必要も、書類を郵送していただく必要もありません。面談は対面のほか、Google Meetでも対応しており、全国からご依頼いただけます。京阪神地区であれば、対面でお伺いすることも可能です。

お受けできないこと

依頼をご検討いただく前に、お引き受けできないものを書いておきます。

違法性が確認できるご依頼はお受けしません

過去にお断りしたのは、助成金の不正受給につながる依頼です。タイムカードと賃金台帳を確認する過程で、実態と書類が合わないことが分かりました。社会保険労務士法第15条は、不正に保険給付を受けることなどについて、指示をしたり相談に応じたりしてはならないと定めています。事務所の方針という以前に、資格者として関与できない領域です。

一方で、書類が整っていないこと自体を理由にお断りすることはありません。就業規則がない、勤怠が紙のまま、という状態からのご依頼は多くあります。整っていないことと、実態を偽ることは別の話です。業種や規模でお断りすることもありません。

労務相談だけを単発でお受けするメニューは設けていません

勤務実態や規程を確認しないままの回答は一般論にとどまり、判断の役に立たないためです。ご相談を含むご依頼は顧問契約から承っています。なお、就業規則の作成・変更、助成金の申請代行、給与計算は、顧問契約がなくても単独でお受けしています。

従業員の方個人からのご相談はお受けできません

社会保険労務士は依頼を受けた側の立場で関与するため、同じ論点について労使の双方から相談を受けることができないためです。個人の方は、お住まいの地域の労働基準監督署、総合労働相談コーナー、都道府県社会保険労務士会の無料相談窓口をご利用ください。

このほか、お受けしていない業務やお引き受けできない条件は、よくある質問にまとめています。

事務所概要

1984年生まれ、兵庫県香住町(現:美方郡香美町)の出身です。
現在は川西市で、妻と3人の子どもたち(ペットでモルモット)と暮らしています。

事務所名川西隆之社労士事務所
代表川西隆之(社会保険労務士 登録番号:21160012)
所属全国社会保険労務士会連合会/兵庫県社会保険労務士会
所在地兵庫県川西市
対応エリア全国(オンライン対応可能)。京阪神地区は対面可能
連絡方法お問い合わせフォーム(3営業日以内に返信)